コラム

不安な気持ち

2019年1月
西巻

2019年がスタートし、しばらくが経ちました。今年は暖冬傾向と言われていますが、日によっては寒さが厳しく、感染症流行の心配は例年のように続いています。日頃から栄養と休養を意識し、体調管理には気を付けたいところですね。

今回は、“来週大事な予定があるのに、風邪をひいたらどうしよう…”というように、私たちが生活している中で抱く『不安』という感情についてのお話です。

不安は、誰もが感じるとても身近な感情の一つであり、「安全を脅かすような事象や危機を察知して不安を感じ、それに対処することは生きていくために必要な行動である」と言われています。ただ、一口に不安と言っても、他のことを考えたり気を紛らわせたりすることでやり過ごせる不安から、それでは対処しきれずに他の方法で対処しようとして悪循環に陥る不安まで、不安の強さや対象は様々です。

誰もが感じる不安と治療が必要な不安の間の線引きは難しいものですが、不安によって身動きが取れなくなったり、不安が不安を呼び、社会生活に著しく支障が生じていたり、不安によってつらさを感じていたりするような場合は、専門家へご相談されることをお勧めします。また、強い不安を感じると、一般的に私たちの体には、動悸、発汗、震え、口の渇き、吐き気などが生じることがありますが、その症状が強まったり、長引いたりしている場合も同様です。

不安を軽減させるための方法としては、薬物療法、精神療法が有効とされています。実際のカウンセリング場面で用いられる認知療法や自律訓練法等の各療法・技法は、感覚刺激、認知、行動などを変えることによって、不安に結びつく脳内の興奮を鎮静化させようとしていると言われています。

“会議のプレゼンが上手くいくか不安で仕方ないけれど、皆は普通にしているし…私だけ?”“何があると言うわけではないけれど、モヤモヤして落ち着かない”“また同じことがあったらどうしよう…”など、おひとりで悩まれている場合は、これまでの大変さを理解し受け止め、どの対処方法を試していくのが良さそうか等、あなたのこれからを一緒に考えてくれる専門家探しから始めてみるのはいかがでしょうか。

引用・参考文献
  1. (編)野村俊明、青木紀久代(2017)「これからの対人援助を考える くらしの中の心理臨床 不安」福村出版