来談者中心療法の創始者であるロジャーズは、人間の成長と変化の可能性を信じ、カウンセラーの使命は、 クライエントを受容し尊重することで、成長と可能性の実現を促す環境をつくることにあると考えました。 来談者中心療法は、カウンセリングの理論と実践の基本であり、実際のカウンセリングでは状況に応じてその他の理論や技法を臨機応変に使っていくことになります。
箱庭療法は砂の入った箱の中にミニチュア玩具を置き、また砂自体を使って、自由に何かを表現したり、遊ぶことを通して行う心理療法です。気持ちをことばで表現することが苦手な方でもこころの中にはイメージがあります。そのイメージを表現してみることです。ドーラ・カルフの言う「さわやかな母子一体性」という見守りの中、 継して何回か作ることで少しずつこころの表現が深くなっていきます。
クライエントが今現在抱えている問題の全体像を一緒に理解した上で、具体的な面接目標を立て、目標達成のために様々な技法を用いることがその特徴です。よく使われる技法には、たとえば「認知再構成法(ネガティブな考え方を自分で修正するための方法)」や「リラクセーション法」などがあります。 認知行動療法は、うつや不安などに効果があることが、諸研究によって確かめられている心理療法です。とくに心理的な問題の再発予防効果が高いことが知られています。
遊戯療法とは、カウンセラーが遊びを通して子どものこころにふれ、気持ちを汲み取り、ものの考え方を育てる心理療法です。大人の見守りの中、思いつくままに自由に遊ぶことで、好奇心と達成感を獲得していくことが子どもの真骨頂と言えるでしょう。多くは子育て、教育相談など養育者のカウンセリングと併行して進められます。
過去の記憶や未来の不安で頭の中が捕らわれている状態から、「今この瞬間」に注意を向けることにより、あるがままに受け流せるようになることを目指します。ネガティブな考えを反すうすることが減らせることから、うつや不安、依存の問題にも効果があると言われています。ストレス耐性を強くするためにも有効です。
精神を分析するというと、セラピストがクライエントのこころを一方的に分析するというイメージがありますが、実際にはクライエントが自分のこころに率直に向き合ってそれをことばにするという作業にセラピストが同行する、というイメージの方が近いと思われます。 ある程度の時間と手間がかかります。根気よく自分に向き合ってみようという方にお勧めします。
演奏技術を必要としない音楽を使った心理療法です。音楽を聴きながら意識を3つの領域に行き来させることにより、特定のことへのとらわれから解放されて、心身の緊張が良い状態に調整されることを目指します。あがり症、不安、抑うつ感、イライラ、神経過敏などに効果が得られます。マインドフルネスに似た方法で、ストレスマネジメントにも有効です。
症状や問題を家族間の関係性に影響を受けていると理解して考えて行きます。問題の原因探しや犯人捜しはせずに、現在、そして未来に意識を向けて、問題解決して行ける関係性になることと支援します。その結果として、症状や問題が解消することを目指します。
新型コロナウイルスの影響により、日常の様々な場面でオンライン化が加速する中、カウンセリングにおいても、よりよい支援のための新たな可能性として、オンラインカウンセリングに注目が集まっています。オンラインカウンセリングとは、相談者が目の前にいない状況で、電話や電子メール、チャット、インターネットなどの情報通信技術を用いて行う心理支援のことを言います。インターネットカウンセリング、遠隔カウンセリング、非対面カウンセリングなどと呼ばれることもあります。一口に「オンラインカウンセリング」といっても、様々な形態が存在します。
ブレイン・スポッティング(以下BSP)はトラウマ治療で有名なEMDRのエキスパートであったDavid Grand博士によって精神分析、ソマティックエクスペリエンス、EMDR等の影響を受けて2003年に開発され、欧州や南米を中心に全世界で近年急速に広まりつつあるトラウマ治療です。