コラム

快眠のススメ

2018年1月
平元

2018年は厳しい寒さで1年が始まりましたね。東京では4年ぶりに大雪が降り、交通機関が大混乱しました。そんな寒い日が続くと、朝起きるのが辛かったり、夜寒くて寝つけないということもあるのではないでしょうか?そこで、今回は「快眠のススメ」ということで眠りについてお話してみたいと思います。

カウンセリングにいらっしゃる方の中には、「眠れない」「寝つきが悪い」「寝ても起きてしまう」という睡眠の問題を抱えていらっしゃる方が多く見られます。また「うつ病」などの精神的な問題と「不眠」には大きな関係があると言われています。

では、眠れないことでどんな影響があるのでしょうか?

日本睡眠医学協会によると、睡眠の乱れによって心と身体へ下記のような様々な影響があると言われています。

  • 免疫機能の低下、
  • 脳内のセロトニンの活性低下、
  • イライラ感、
  • 考えがまとまらない
  • 疲労感
  • 食欲・意欲の低下
  • 認知・判断力の低下
  • 精神性ストレスの蓄積
  • 血圧上昇
  • がんリスクの増大など

徹夜明けに考えがまとまらない、などは誰もが一度は体験したことがあるのではないでしょうか?そんな身近な「睡眠不足」が続くと、人体にとって大きな影響があることが上記の症状からも分かりますね。私もカウンセリングの場でクライエントさんと話すときに、眠りの問題がある方に対しては「心と身体は心身相関といって、関係しています。眠れない時に良いことは思いつかないし、身体が疲れているときにポジティブに考えましょうということは難しい、まずは身体を休めて、しっかり考えられる土台を作っていきましょう」とお伝えするようにしています。

では、どうやったら良い眠りが確保できるのかを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。皆さんは厚生労働省が2014年に出した「健康づくりのための睡眠指針2014」というのを知っていますか?「睡眠12か条」という12個の指針が出されたものなので、まずはそれをご紹介します。

  • ①良い睡眠で、からだもこころも健康に。
  • ②適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
  • ③良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
  • ④睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
  • ⑤年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
  • ⑥良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
  • ⑦若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
  • ⑧勤労世代の疲労回復・能力アップに毎日十分は睡眠を。
  • ⑨熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
  • ⑩眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
  • ⑪いつもと違う睡眠には、要注意。
  • ⑫眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

指針なので、標語的なものが多いですが、その中で大事なものを少し補足してみたいと思います。①成人のからだが必要とする睡眠時間の目安は6時間以上8時間以内と言われています。必要以上に寝床ですごすと、眠りが浅くなり、夜目が覚めてしまうこともあるので気を付けましょう。②や⑩の眠りのメリハリや眠くなってから寝床に入るということはとても大事で、就寝前にリラックスすること、お風呂の時間やカフェインの摂取に気を付ける、強い光を浴びないなど眠りを助けるもの、妨げるものを知っておくことも重要です。

また、⑦~⑨の世代による眠りの違いも知っておきたいですね。思春期の子供は夜更かしをすることが増えてきますが、体内リズムが乱れることによって夜寝つけず、朝起きられないという望ましくないリズムが出来てしまいます。朝は光を浴びて体を起こす、夜はスマホなど光の刺激を避けるなどリズムを戻す工夫が必要になってきます。働いている世代の方は理想的な睡眠時間を確保することが難しいことも多く、昼寝をするなど工夫も必要です。年齢が上がるとともに早朝に目が覚めてしまうことが多く見られますが、65歳の方は20歳代に比べて必要な睡眠時間が1時間少なくなると考えられており、その年代で必要な睡眠時間を目安に寝床で過ごす時間を考えましょう。そして、⑫困ったときは一人で悩まずお医者さんや専門家に相談してみましょう。状況を客観的に見ることや、工夫を考えることで良質な睡眠のヒントが得られると思います。

最後に、快眠のために良いこと、気を付けた方が良いことを少しご紹介したいと思います。

眠りに良いこと
  • 朝の光を浴びる
    →日光を浴びることで体内時計の乱れが調整され、脳内の覚醒度があがります。
  • 日中の仮眠は午後3時までに30分以内にしましょう。
    →夕方の仮眠は夜の睡眠の妨げになります。
  • カフェインの摂取は就寝の5時間前まで、アルコールの摂取は適量を就寝の3時間前まで、食事は就寝の2時間前まで、就寝1時間前にはテレビやスマートフォンを消しましょう。
    →カフェインやスマートフォンなどのブルーライトには覚醒作用がありますし、アルコールは体内で分解される中で眠りを浅くするアセドアルデヒドという物質が発生することが分かっています。
  • 就寝1-2時間前に40度以下のお風呂に入る。
    →ゆっくり湯船につかると副交感神経が刺激されてリラックスした状態になります。また、お風呂で上がった体温が下がり始めるときに深い眠りに落ちるので、このタイミングも大事になります。寝る直前に熱いお湯に入ると覚醒しやすくなるので気を付けましょう。

皆さん今夜はどうぞ(睡眠に)良い夜をお過ごしください!

引用・参考文献
  1. 「睡眠不足がなくなる日」林田健一著
  2. 「今日の治療指針2017年版」福井次矢など編
  3. 「健康づくりのための睡眠指針2014」厚生労働省健康局
  4. 日本睡眠医学協会HP