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2012年2月22日 臨床心理士 山口
 近年はメンタルヘルスの問題が深刻化していて、うつ病になる方も増えています。そういった中で、カウンセリングに行こうか心療内科や精神科に行こうか迷っているという問い合わせを受けることがあります。

 心療内科や精神科の診察をカウンセリングと呼んでいる方もいらっしゃいますし、カウンセラーは薬を出せないかと質問される方もいらっしゃいます。ハッキリと診察とカウンセリング分けることが難しいポイントもありますが、どちらがよいというわけでなく、それぞれ特徴の違うものですので、臨床心理士(カウンセラー)の役割をご理解いただく意味も込めてご説明したいと思います。

 まず、心療内科や精神科などのお医者さんは、精神的に困っている内容に対して、心の病気としての問題や背景に潜む身体的な病気を考えて診断し、「病気を治す」という医療的な視点での薬物療法や助言がアプローチの中心となります。もちろん、一人一人の気持ちを聞いて理解することも大事ですが、保険診療であることから考えてどうしても一人当たりに割ける時間は短くなってしまうので、ゆっくり話を聞くことに限界があります。症状が辛い状態で、生活に支障が出ている場合などは、お薬の治療を行わないと改善が難しいこともあります。

 一方で、臨床心理士は長い時間をかけて(カウンセリングハウスでは1回50分)、一人一人の気持ちを受容、共感、傾聴することを一番に重視しています。カウンセリングでは、自分の感情を表現したり、自分の問題をカウンセラーと一緒に考えたりすることで、気持ちが楽になって、自分がどうしたらよいのか、自分がやりたいことは何なのかなど、自己理解が深まり解決方法が見つかっていくと思います。「病気を治す」ということも目標の一つになりますが、病気ではなくても悩みや話したいテーマがあれば、それはカウンセリングの大事な目的になります。ですから、「カウンセリング」=「精神的な病気の人が受けるもの」という感覚は間違いです。カウンセリングでは、相談者のことを「患者」ではなく、「クライエント(依頼者)」と呼びます。

 このように、カウンセリングと医療では視点が異なる点があります。医療機関での治療を長期間続けてもなかなかよくならないという場合には、異なる視点でのアプローチとしてカウンセリングを考えてみるのも大事な選択肢だと思います。薬物での治療とカウンセリングを平行して行うことがもっとも治療に適しているというデータもあります。どちらを受けることが正しいということは自分で判断することが難しく、迷うこともあるかもしれませんが、カウンセリングではお話をお聞きする中で、カウンセラーがお薬の治療も平行して行う必要があると判断した場合には医療機関をご紹介することも可能です。

自分ひとりで悩むことに限界を感じたら、カウンセリングに足を運んで、話してみてはいかがでしょうか?
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